VEとCRの違い!

別の記事でVE(Value Engineering)のお話をしました。
今回はVEについての補足説明をしたいと思います。

VEとは(Value Engineering)の略で
一般には製品やサービスの「価値」をそれが果たすべき「機能」と
そのためにかける「コスト」との関係で把握しシステム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法となっています。
ちなみに単に値段を安くすることをCR(Cost Reduction)と言います。
う〜ん、難しいですね。

VEについての第一人者の横田尚哉さんの言葉を借りると
問題の対象となっているモノのファンクション(機能)に着目して
問題解決を助ける管理技術の一つということになります。

もっと簡単に私なりに言い直しますと
値段が合わないからといって単に値引き(CR)をして合わせるのではなく
「目的や本質をハッキリさせて根本的なやり方から変える事によってコストを下げれる方法を考え出すこと」となります。

なぜ、値引き(CR)がいけないのか?
わざわざ、VEという手法を使う必要があるのか?ということですが
値引き(CR)をすればお客様は
安く商品やサービスを手に入れることができるので
短期的に見れば良い事でしょう。

ですが、値引き(CR)をするということは
本来得られる利益を企業は削っているわけです。
1度だけならともかく何度もしていると収益を圧迫し
経営自体が危うくなります。

特に今は建築不況といわれ業者はギリギリの単価で工事を請け負っていますから、
さらに値引き(CR)をすれば利益なんて残りません。
私の周りでもお客様のためにといって値引き(CR)をしてきた業者が毎月のように潰れていっています。

建築は1度工事をすればそれで終わりというものではありませんから
工事をした業者が潰れてしまったらアフターサービスもできなくなり
結局、最終的にお客様も困る事になるのです。

また、業者が出した見積り金額ではなくお客様が望む値段で
どうしても利益を残そうとするならば
安い材料を使う、もしくは通常2日かかるところを
1日で仕上げてしまうということで
業者は利益を確保するしかなくなります。

当然、安いものは安いなりの品質しかありませんし
無理をして短期間で仕上げてしまえば、仕上がりが悪かったり、
5〜10年使えるものが2、3年しかもたないといったことが起こってきます。

こんな事を言うと
「プロなんだから手を抜いてもらっては困る」「お金を払うんだからキッチリと仕事をして」
と言う声が聞こえてきそうですが
誤解を恐れずに言いますと、今や建築業界は本当に厳しい状態で
現場では正しいとか悪いとかの問題ではなくなっているところもあります。

業者も職人さんも誰もが「良いものを創りたい」「いい仕事をしたい」と本当は思っています。
ですが、今はそれができない状況にあるというのが「現実」なのかもしれません。

では、弊社では具体的にはどうしているのか?
参考にいくつか弊社の例をあげてみます。

考え方を変えてみる
お客様の要望が4LDKであった場合
本当にそれだけの部屋がいるのか?
実際にどんな生活をしたいのかをお客様と徹底的に話し合います。
例えば大きなLDK+間仕切りで2部屋+2部屋とすれば
間仕切り壁と大工の手間が減り値段が下げられないか?

収納を各部屋につくるのではなく
一つの場所にまとめることで効率を図り
壁と建具を減らすことでコストが下げられないか?

時間軸で考えてみる
はじめは生活に絶対的に必要なモノだけに集中して
お金の都合がつき次第、段階的につくっていく
収納棚もオープン棚にして
必要に応じて扉を増やしていく等により
イニシャルコストを落とせないか?

素材含め2つ以上の工程をまとめられる方法を考えてみる
壁と収納を兼ねたり階段、テーブル、イス、収納を兼ねることができないか?
兼ねることで購入する家具を減らしトータルコストを下げられないか?

化粧材ではなく下地材として使われるものを
そのまま化粧材として使用することで下げられないか?

同じ業種や素材をできるだけ使用してみる
キッチンも収納もできる限り大工でつくり
素材もホームセンターで手に入る一般的なものを
使うことでコストを下げられないか?

塗装、左官、タイル、クロス等多業種必要なところを
左官職人だけでできる素材を使用することで
1業種のボリュームを増やし効率化をはかり
コストを下げられないか?

お金をかけれない分手間をかける
DIY等でできる限り自分たちでつくる
商品も自分たちで探し購入する
置き家具やIKEAなど既製品を可能な限り使用する

上記の例は一部で
それぞれの案件によって状況が異なるので必ずこの方法を使うというわけではありません。
常にいくつかを複合的に組み合わせて最終的な金額が予算に近づくように努力しているという感じです。

とても面倒な作業ですがチリも積もればというやつで根気よくコツコツと検証して
ベストな方法をお客様と共に見つけていくことが大切です。

「できません」というのは簡単です。
お客様も専門家にできないと言われたらあきらめるしかありません。
でも、それは本当にできないのでしょうか?

担当者は
面倒くさいから
時間がないから
知識がないから
あきらめてしまっているのかもしれません。

本当に良いモノをつくるために妥協をしないこと
それはお客様にも私たち業者にも言えることではないでしょうか?