施工事例訪問
大阪府高槻市・Iさまの家づくり


  • 建築カタリスト・小松
    豊かな暮らしの実現のためデザインビルドにこだわる。イクシージャパン代表。

  • 今回の施主・Iさま。普段からDIYや土いじりが大好きな奥様。それを今回いかんなく発揮!旦那さまは残念ながらこの日お仕事でした。

  • ウェブデザイナー・みき
    イクシージャパンのサイト制作を担当しています。
    建築はド素人!自宅に大量にある本を減らしたい。
写真を見ながらお話を伺いました。初夏の風がキッチンの窓から吹き込んでとても爽やかです。

イクシージャパンと出会ったきっかけ

みき
このシリーズはイクシージャパンでリノベーションをした方を訪問してお話を伺っています。
まずは、イクシージャパンとの出会いからお聞かせください。
Iさま
一年前までハイツ1階庭付きの賃貸に夫婦で住んでいました。母親は実家に住んでいたのですが、私たち夫婦と同居しようということになり、住まいを探し始めました。
最初の2〜3か月間は、新築戸建を探して見に行ったりもしましたが、気に入ったものに出会えませんでした。次にマンションを探し始め、新築もリフォーム済も、色々見てまわりましたが、お仕着せの画一的なマンションはもうひとつ、ということで購入に至りませんでした。
私たち夫婦はもともと緑が多い田舎が好きだったのですが、二人とも仕事をしているので通勤の時間がかかる田舎住まいは無理だとあきらめていて、都市部周辺を中心に探していたせいもあると思います。再び戸建に関心が戻った頃、少し範囲を広げ、中古物件も視野に入れて探し始めて、ここと出会ったのです。周りも静かだし、近くに川もあるし、緑も豊か、ここは良い!と思った。
小松
鉄道の駅から遠いのは、気になりませんでしたか。
Iさま
バス停に近いから、最寄駅へのアクセスは簡単で、職場への通勤も苦になりません。駅前のマンションの環境とこことを比べたら、窓から緑が見える、この環境には代えられないと思いました。
主人はもともと田舎派ですから、すぐに同意してくれましたね。
母も、最初は遠いとか、便利が悪いのではとか心配していましたが、自然も豊かでペットものびのび飼えるよ、とアピールすると賛成してくれました。
緑が好きというIさま、あちこちに鉢植えが。
みき
自然環境、価格、広さのバランスからこちらに決定されたのですね。
Iさま
そう。で、少し新しくしたいところがあったので、以前におうちをリノベーションした友人のKさんの紹介で、イクシージャパンに電話しました。購入契約の直前、一週間前でした。
小松
初めて会いした時に、チラシを持参されていて、来週契約するんですと仰っていましたね(笑)
Kさんは私の学生時代の先輩。Iさまは、Kさんの奥様のお友達なんです。
Iさま
最初は、台所、風呂、トイレを主にキレイにしたいな程度を考えていました。リノベーションという言葉すらよく分かっていなかったですね。
みき
いわゆる水周りのリフォーム程度を考えておられた…
Iさま
そうです。ですが、小松さんとお会いして、いろいろお話しているうちに、リノベーションをしてもらう気になったのです(笑)

リフォームからリノベーションへ意識転換

小松
普段、初回は顔つなぎがメインなんですが、Iさまの時にはいきなり本題に入りました。
「どうせ買うから、来週にでも現地に見にきてください」という急展開で本当に驚きました。
Iさま
10月の初めにお会いして、「年内に仕上げてもらえますか」というような状態でしたね。
母の家の時の経験で、問題が起きるたびに業者を探していた。ああはなりたくないと思っていました。新築でもリフォームでも、建築界では行き違いがよくあるそうで、業者の「悪い噂」も聞いていました。
そんな中、小松さんのことは友達のKさんから話を聞いて希望はできる限りかなえてくれることは分かっていましたし、一括してすべての窓口をやってくださると申し出てくださったので、探していた人に会えたと思いました。
小松
本当ですか?それはお世辞でも嬉しいです。 家づくりには、キッチン、お風呂、照明、壁の色…決めなくてはいけないことが沢山あり、好みも千差万別です。イクシーは時間軸をもとに素材の特性だけでなく使い方まで提案した上で一緒に考え最終的にお客さまに選んでいただく、施主と施工側が共同で組み上げる形。
そのプロセスを経て、施主にとって愛着のある「自分だけの家」ができあがると考えています。
Iさま
そうですね。たくさん選ばされました(笑)
風合いが特徴的な二階の壁と天井。キッチンに合わせたテーブル上の棚と照明器具。一つ一つの選択が住まいを形作ります。
小松
資料として前のお宅の写真を送ってもらったり、趣味を聴いたり、リサーチして…Iさまのお好みポイントを調査して、提案をさせていただきました。
みき
アンティークで使い込んだ風合いのあるものがお好きとか、考えたんですね。一言でカントリー調といっても幅広いですよね。イクシーから出てきた案はいかがでしたか?
Iさま
ぴったりな案でした。
壁や床の色など最初は、「きれいすぎる」感じでしたけど。1回調整したら満点に。小松さんがあらかじめ選んだ何種類かのアイテムを風合いや予算別にして、それぞれのメリット・デメリットや特徴を説明してくれて、その中から好みと予算で決めました。
決めろと言われて悩んだのは、最初だけ。床の色を決めて、キッチンも決めたら、全体のイメージが浮かんでくるようになって、あとはスムースに決断できましたね。

大変だった、予算の変更

小松
プラン変更の大きなきっかけは、現地に来て物件を見させてもらった時でしたね。
プロパンガスからオール電化へという当初の予定に加えて外壁と屋根の痛みが予想以上で。
Iさま
それに1階床の傾きもありましたね。ビー玉が本当にコロコロ転がって(苦笑)
小松さんに、水周りのリフォームで予算はほぼ一杯なので、外壁と屋根をとるか、オール電化をとるかですと言われました。外壁と屋根はどちらにしても数年以内にやらなければいけない、オール電化を後回しにすると、せっかくきれいにした外の工事もまたしないといけない。
結局、どちらもやらなければいけないのであれば、2回に分けるより1回で済ませた方がコストは抑えられますということに。額が大きくなったのでローンを組んではという提案でした。
みき
予算も上がり、工期も延びてしまった、不安や抵抗はありませんでしたか。
Iさま
それはありませんでした。すべての説明をきちんと、詳しくしてくれたので、検討して、費用増額を決めました。今から思うと、2回目の面談の時ぐらいから、考えが変わっていましたね。私自身も納得のゆく家を作ろう、工期も2月3月になっても良いと。
面談1回目の小松さんの言葉「やるのは、忍耐です。体力です。頑張りましょう」は、こういうことも踏まえていたんだなと思いました。とことんつきあってくれる人なんだろうと思いつつ。
みき
ボディ・メイクの会社みたいですね。最後まで、コミットする…(笑)
Iさま
そこから、お金をかけてもいいかなと思って。
塗り直した外壁に映えるウッドデッキ
小松
中古住宅のリノベーションは、施主と建築家と職人、みんなの力が結集して仕上がったという実感、手応えが得られるステキな仕事だと思っています。Iさまは一緒に頑張らせてもらって、本当に楽しい施主さんでした。
Iさま
もともと物を作るのが好きでしたから、現場に来るのも楽しかったです。小松さんにはできるだけ現場に来てくださいと言われていましたし、何度か来させてもらった時に大工さん達、皆さん楽しそうに働いておられたので、仲間に入りたいと思ったぐらいです。
小松
大工さん達、喜びますよ。
職人さんは自分のやったことがちゃんとオーナーさんに伝わっていることでやりがいを感じます。施主さんの顔を知っていると彼らも仕事に対して他人事ではなく責任を持って取り組めます。
Iさま
見に来るのが楽しかったです。皆さん団結している感じでお任せできる人達だなと思いました。工事が進むにつれて、いろんなことを小松さんに相談しました。カーテンの色やテレビの置き場所まで。
小松
相談してもらえてうれしかったです。今まで打ち合わせを重ね、全体の仕上がりを理解しているからこそできるアドバイスがあるので。
みき
持込みのアイテムが要所要所に活かされてますね。洗面所の鏡は手作りと聞いてびっくりしました。
Iさまが通販サイトで購入した洗面ボウル、手作りの鏡とタオルかけ。
Iさま
市販の鏡に木を組み合わせたフレームを付けたんですけど、取り付けの時に大工さんに見られると思うと恥ずかしかったです(笑)
小松
いえいえ、大工さんは奥さんの手作りと聞いてスゴイって驚いていましたよ。
みき
お手洗いのタオル掛けは流木を使っていると。流木は売ってませんよね。どこで手に入れられたんですか?
Iさま
川や海の浜辺ですね。渥美半島で拾ってきたものもあります。
洗面所は自分で作ったり探したものが集められたのでお気に入りです。洗面ボウルもネットの通販で買いました。「これ付けられますか?」って聞きました。ボウルと蛇口の関係が分からなくて。
最初探したものは蛇口の首が短くて、あとこれだけ長いのを注文してくださいって教えてもらって。
使いたいものがあれば持ってきてくださいって言ってくれたので、床と壁が決まってイメージができてくるといろんな選択をすることが楽しくなってきました。
みき
一緒に作り上げるという意識でイメージが共有できると、施主のこだわりを形にしやすくなるんですね。ダイニングテーブルやテレビ台も手作りと伺いました。使い込んだような風合いですね。カーテンレールやキッチンカウンターの取っ手の黒とマッチしていて素敵です。この雰囲気が玄関外のアプローチと門柱にも共通していますよね。
Iさま
普通のカントリー調ではなくて古びた感じですね。こういうのがしたいんですって小松さんと共有できてからは話が早かったです。
小松
設計図だけだと分かり難いので、こういうデザインはどうですか?と絵を描いて提案しました。オーストラリアの線路で実際に使われていた枕木を使っています。門柱を立てる際にはガス管などが下を通っていたので苦労しました。外構屋さんが頑張ってくれて。
デザイン画から施工を経て完成
Iさま
玄関外のデザインは本当に理想通りで。
2階の部屋はまだ家具と小物の置き場所に手を入れている途中で、さらに理想に近づけたいです。
みき
2階の和室はアジアンテイストな家具が置かれていましたね。畳敷きの和室でも壁と天井の印象次第でアジアのリゾートのような部屋になるのが意外でした。
Iさま
後はテーブルを作りたいと思っています。これ(ダイニングテーブル)と同じ素材で少し小さいものを横に並べられるように。人数が増えた時に良いんじゃないかと。
みき
お友達を呼んで、お茶会、ランチ会にいいですね。
Iさまの住まいづくりはリノベーション工事が終わってもまだまだ続くわけですね。

リノベーション後のくらし

みき
最後になりますが、転居後の暮らしぶりについてお聞かせください。
Iさま
どれだけ遅くに帰宅しても、食事の支度もせずに、床掃除を始めてしまう。
気がつけば掃除してます(笑)主人になにしてんねんと言われるほどです。新居への愛着の現れでしょう。その主人も最近DIYに興味が出てきたみたいで、本を見てますね。
朝起きて窓を開けると風がさ〜っと通るのが、とっても気持ちがいいですね。この時間、幸せを感じています。台所に窓があるのは、お気に入りポイントのひとつで、日差しも入ってきてさわやかに一日をスタートさせることができます。
夜は、カエルの鳴き声がするのもいいかも。
洗面所、2階の部屋、ソファーに座って眺めるウッドデッキと紅葉…お気に入りポイント、多いですね。
風が通るキッチンの窓、ソファから見えるウッドデッキと紅葉
小松
仕上がりに満足いただけて良かったです。
Iさま
当初予想していたものとは違う仕上がりになりましたけど、自分の趣味がベースになって、その上に新しい感覚が加味されて出来上がった感じですね。
古いもの好き、レトロ好き、古民家好きが趣味だったんですけど、夫婦で住むならこう、母親と住むのだからあまりレトロになりすぎず、と考えを巡らせて選択していったらこの形になった。
自分たちの意見が反映されて、良いバランスで新しい家ができたというのが実感です。
みき
所々にレトロ感覚が残りつつ、全体のテイストは現代的にすっきりした仕上がりになりましたね。
自分たちの意見が盛り込まれた家。それは賃貸では味わえない楽しみですね。
Iさま
本当に相談できて良かった。出会いに感謝です。
小松
知恵を出し合ってできた家は、施主様にとっても、現場の人間にとっても愛着もひとしおです。
これからも、折に触れ、相談していただける関係を続けてさせていただきたいと思います。
みき
今日のお話は、これから中古住宅を購入し、リノベーションして住まおうと考えている方にとって、非常に参考になると思います。ありがとうございました。

完成までのスケジュール

小松のまとめ

今回は生活をするうえで最低限必要な建物の修繕、設備や断熱・動線などの機能面の改善、そして施主様の暮らしに対するこだわりをどうデザインに落とし込むかがポイントでした。
限られたコストでは全てを叶えることは難しかったので、時間をかけてお客様と一つずつ問題をクリアし、良いことも悪いことも納得してもらったうえで理想の暮らしに近づけていきました。
奥様が柔軟に対応してくれて程よく任せ上手でありながらも自分のこだわりを譲らないところが良かったと思います。
当初イメージした通りではなかったとしても、手間と時間を惜しまなければ自分らしい暮らしを手に入れることができることを実感していただけたように思います。

「さすがオレ!」なポイントを教えてください

大工・イズミさん

今回こだわってうまくいったのはやっぱりリビング壁面のパネルですかね。
小松さんが枠周りをスッキリさせたいというのは分かっていましたので壁面に貼る材料を加工して枠にも使用することで余計な材料も必要なくキレイに納まったと思います。
あと床のレベルが予想以上に悪く、結局根太(床の下地)を全てやり変えなければならなかったのは大変でした。
僕らはいつも職人として仕事をさせてもらっている感謝をお客様にどうやって表したらよいかを考えています。
現場をキレイに掃除することもそうだし、できるだけ手間と材料をかけないでどうやって良いものをつくるかがみんなにとって良いことかなと。
リフォームやリノベーションはやっぱり難しいのでみんなで相談しながら考えて施工していくのが楽しいです。そうすることで自分にも経験と発想がプラスになる気がします。