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VEとCRの違い

今回は、建築業界でよく使われる用語、VEとCRについてご紹介したいと思います。
この記事では建築業界での使われ方を紹介していますので、製造業や流通業など他の業界では必ずしも同じ内容を指さないこともありえる、ということをご了承ください。

VEとCRはそれぞれ下の言葉の頭文字を取った略語です。
VE(Value Engineering):バリューエンジニアリング
CR(Cost Reduction):コストリダレクション

分かりやすいのは二つめのCR(コストリダレクション)です。
これは日本語にすると「コスト削減」となります。
仕入れ先を見直したり、廃棄ロスを少なくしたり、と手法はいくつもありますが、建築業界で最も主流なのが仕入れ先に対する値引き交渉です。そのため、CR=値引きを要求すること、という誤解がまかり通っているのが現状です。

では次にVE(バリューエンジニアリング)について。
これも日本語に翻訳してみましょう。バリューは「価値」、エンジニアリングは「(計画などを)工作する」です。つまり、何らかの仕組みや計画を考え、その仕組みによって価値を創出することを言います。コスト削減に比べて抽象的で分かりにくいですね。

具体的な例を挙げてみましょう。
内装工事で壁を左官仕上げにしたい物件があるとします。

通常の作業手順はざっとこんな流れでしょう。

  • 1. 現場で壁が建ってから左官職人が現場に行く
  • 2. 現場で周囲に影響が出ないよう養生をし、壁を塗る
  • 3. 塗った壁が乾くのを待つ(数日かかることも)

この時、かかるコストと問題点は下のA〜Cのようになります。

  • A. 左官職人が現場へ行く時間と交通費
  • B. 左官の工程が終わるまで、他の作業ができず待ち時間が発生する
  • C. 塗り終わった壁が乾くまでの待ち時間が発生する

C.の乾くまでの時間は現場の環境や天候に左右されてしまいがちです。また、現場の環境が毎回変わるということは、仕上がりのクオリティが一定に保てない要因ともなるのです。

この工程をVEの手法でより問題が起きにくく価値のある工程へと転換するとしたら、下のような流れが考えられます。

  • 1. 自社の作業場であらかじめ壁を必要なパーツに分けて準備する
  • 2. 自社の作業場で左官職人が壁に塗り工程を施し、乾燥まで終わらせる
  • 3. 現場で壁の設置まで工程が進んだところで乾燥済みの壁を搬入し設置する

この流れのメリットは下の3つです。

  • A. 他の工程と並行して左官の工程を進めることができる(全体の工期の短縮)
  • B. 左官職人が現場に赴く必要がなくなる(職人が手掛けられる件数が増える)
  • C. 同じ環境で作業することでクオリティを安定させやすくなる(ロスの削減)

工期が短縮されたりロスが発生しにくくなるということは、工事費用の節約に繋がります。また、職人が手掛けられる件数が増えるということは、人手不足が言われる昨今においては大きな意味がありますし、職人にとっても同じ日数で稼ぐ工賃が増えるのでメリットになります。

このように、仕組み・工程から見直し工夫することで価値を生み出すのがVEの特徴です。単なる値引きとは全く違うことがご理解いただけたでしょうか。

建築業界では、ゼネコンや大手ハウスメーカーなどがこの手法を非常に重視しています。
大手では扱う物件数も資材の量も桁違いですので、塵も積もれば山となるで小さなVEが大きなバリューとコストダウンを生み出すことが分かっているからです。

イクシージャパンはゼネコンなどと違い、一人一人の施主さま・オーナーさまの物件をオーダーメイドで承るリノベーション専門の建築会社ですが、こうしたVEの手法を積極的に取り入れることで、より少ない予算でより大きな価値を作り出せるよう、日々思考と工夫をこらしています。