Exi-japan Co.,Ltd

オーナーインタビュー 大阪市北区
朝日プラザ西天満 Yさま


  • 建築カタリスト・小松
    豊かな暮らしの実現のためデザインビルドにこだわる。イクシージャパン代表。

  • 今回の施主・Yさま。大阪府下の企業に勤務のかたわら、副業として「大家さん」業を楽しまれています。

  • ウェブデザイナー・みき
    イクシージャパンのサイト制作を担当しています。
    建築はド素人!自宅に大量にある本を減らしたい。
施工当時のことを振り返りつつ、今後サラリーマン兼業オーナーとして手がけてみたいことを伺いました。

不動産投資、自分の手法

小松
まず始めに、一口に投資といっても株式、国債、信託等いろいろある中、不動産投資を選ばれた理由からお聞かせください。
Yさん
そもそも不動産投資をしたいと思ってやり始めたわけではなく、知り合いに勧められて、区分所有のマンションを一つ買ったのがきっかけです。
購入した物件をリノべーションしている内に、きれいになった部屋をお客さんに貸して喜んでもらうのが楽しいなと思えてくるようになりました。とりたててお金儲けがしたいと思って不動産投資を始めたわけではありません。
みき
儲けたい!ではなく、大家さん業を楽しむ気持ちのほうが強いということですね。
Yさん
そうです。まずたくさんの物件を見て、エリアや物件を絞り込んで、リノベーション費用はいくらで、家賃はこれくらいだったら入居者が集まるか、などを構想することが楽しいのです。
自分の立てた戦略がうまく行くのか、つまり、自分の考えが現在のニーズにマッチしていてお客さんがつくのかどうか、を反復して考えます。その試行錯誤が面白いんです。
小松
凄いなあ。この物件を購入する際も、かなりの数ご覧になってますよね。
Yさん
図面のみでふるいにかけたのは200〜300軒、実際に現地に行ったのは30軒程度だったと思います。
先ず図面や資料を見ながら候補を絞り込み、気になるポイントがある物件は現地に見に行くというプロセスを繰り返しました。
みき
30軒見に行った中で、ここは良い!と、ビビっとくるものがあったのですね。
Yさん
ありましたね。予算、部屋の広さ、エリア、立地条件等で合格でした。南側に4車線の広い道路が通っていて、しかも建物自体も南向き、採光は抜群に良いだろうなと想像できました。
私自身、やり出すとハマる性格だと思います。始めてからは、いろんなことが面白くてどんどん深みに入って行きました。
小松
物件を購入するご自身の基準はどのようなものですか?
予算の比重が一番だと思いますが、その他のポイントも伺えますか。
Yさん
今の時代、物件情報もネットで検索できますから、先ずそれで絞る。管理会社や不動産投資家等のプロの意見も参考にします。
次に入居者のイメージですね。年齢、収入、職業、独り住まいとか、もう少し細かく梅田界隈から歩いて帰れる地域とか、自分が住むのと同等の熱意で考えます。
現地に行く時は物件の中ではなく周辺、実際の環境をまず確認します。利回りや利潤でなく、自分が住むなら?という視点で、条件に合致するかどうかを優先しています。
小松
居住者中心、ユーザー中心の発想ですね。
Yさん
でないと誰も借りてくれませんからね(笑)

イクシージャパンとの出会い

小松
僕との出会いは覚えておられますか?
Yさん
不動産投資に興味を持っている人達の親睦会でお会いしましたね。
いろいろと手掛けられているのを聞かせてもらった内容が記憶に残り、いつか機会があれば連絡してみようと思いました。
小松
名刺交換した程度で、特に強烈にアピールした記憶はないのですが、会場での僕の印象がよかったのでしょうか。不動産会社や管理会社の人間が数名いましたが、建築屋は僕だけ。ラッキーだったのかな(笑)建築業のお知り合いは、その時点で他にもおられたんでしょうか?
Yさん
いましたが、1軒目を頼んだ方とは仕事の進めかたが合わなくて、2軒目は別の人にしようと考えていたんです。第一印象は、フランクな感じでありながら、真面目に仕事をしているタイプとお見受けしました。
利益第一主義で仕事をするタイプではなく、自分の中に筋とか核となる考えを持って仕事をしている人だと判断させてもらいました。
そのひとつが、最初に「どんな人が入るかイメージしてください。そこをキチンと決めてないとダメですよ」というサジェスチョンをくれたことですね。そこが、多いに納得したポイントで、自分の考えに近いこともあり、依頼することに決めました。

リノべーションの実際と、オーナーの心構え

小松
実際に出した提案や出来上がりに関しても、不満はなかったですか。
Yさん
なかったです。自分の住居をリノベーションするなら、とことん細かい部分にこだわり抜くのもいいでしょうが、作ろうとしているのは賃貸物件、あるところから線を引くことが重要だと考えています。自分の望む方向は伝えますが、細部は専門家にまかせる。自分が住んでみたいと思える物件に仕上がれば良いと思うんです。
小松
オーナーさんも、色々おられますね。自分は住まないからとにかく安くていいという方もいれば逆に物件に入れ込んでコストをかけすぎてしまう方など。本当はコンセプトから外れるものはスパっと割り切り大事なところにのみお金をかけて、プロに任せるところは任せるといったバランス感覚を持てると理想的だなと思います。
Yさん
そこのバランスは、本当に難しいですね。私自身も1軒目を扱った時に学習しました。思い入れが過ぎてやたら良い住設機器を入れてしまった。良い物件にはなったけれど、あとで苦労しました。
みき
購入して手を入れる段階から、大家さん目線で物件を見つめているわけですね。
1軒目の経験を活かして、2軒目のここでは少し入れ込み度合を控えようと。
Yさん
そう、若干控えて。予算の上限を決めて、計画することにしました。
予算低めで、見映えは高目という欲張りなプランです。
小松
技法的には塗装と貼りもので、デザインを工夫してどれだけ良いものができるか。キッチンから洗面、浴室まで、水周りを木目で繋げて統一感を出すことを狙いました。
床を張り替えずに、部屋の印象を変えることに挑戦しています。ホワイトのベースカラーに、ブラウンとグリーンのアソートカラーという、インテリアのカラー・コーディネイトの定番配色を採用しました。この価格でこの見映え、良くできたと思っています。
同じ色調の木目で統一された水周り。落ち着いたシックな印象です。
みき
何風といってよいのか、壁が真っ青で、柱が真っ赤のトイレや、ブルーグレーのキッチンユニットなど、ばらついて落ち着かなかった部屋が木目調で統一され、シックにまとまりましたね。
Yさん
大変うまく行ったと思います。
大きな変更は、収納庫の増設と、風呂の扉のやり変えぐらいでしたね。施工後、入居者募集の際には緑のラグを敷いて、ポイント、ポイントに観葉植物を置いたりして統一感を増しました。
入居者に関しては、ひとつ学びました。当初小松さんと共に描いた入居者のイメージは女性だったのですが、意外にも2回とも男性が入居されたんです。女性目線で作ったら男性にも受けるけど、男性目線で作ったら女性にはあまり受けない。これはいい経験になりましたね。
小松
オーナーさんが入居者像をきっちりイメージしていないと、我々が判断を仰いでもなかなか決定できないものです。方向性を決めることが大切で、リノベーションの軸がしっかりしていれば、想定とは違った人であっても、それに近しい考えや嗜好を持った人が集まってきて、最終的に入居されることになります。性別は決定要素ではないということですね。
ところで、家賃はどうやって決められたんですか。
Yさん
近隣の相場や物件とのバランスからまず自分で算出して、不動産屋さんと相談して決めています。利回り優先のオーナーならもっと高めに設定すると思いますが、高すぎると入居者が入ってくれない。あくまでも、自分が住むならいくらまで払えますという感覚で物件を客観視しておかないとダメなんじゃないでしょうか。
小松
普通なら、欲が出ますよ。投資と思ってる方は特にその傾向が強いのではないでしょうか。
不動産屋さんも「取りあえず高値で出しといてダメなら下げましょか」とか適当なことを言うじゃないですか。それに乗っかってしまうと、空白期間も長くなって利回りどころではなくなります。常に自分の基準を持つというのは出来そうで、なかなか出来ないことですよね。
Yさん
ほんと、儲け一辺倒になっちゃうと、難しいですね。正しい表現かどうか判りませんけど、ある程度余裕を持ちながら、今回失敗しても、「まあええか」と流せるぐらいの感覚でやらないと、精神的にも厳しいと思いますね。
みき
では、次はそういう考え方に至った理由、背景をお聞かせください。

好みの物件のあるフィールドを探す

Yさん
出版されているサラリーマンオーナー向けの本などは、一通り読みました。
テクニックの話や利回りはこれぐらいでないとダメとか、こういう物件を狙えとか書いてありますが、読者みんながそれを実行したら、全員同じフィールドで競争することになります。それは辛いですよね。ですから、競争しないで済む物件を探すようにしたんです。
小松
以前にも仰ってましたね。2014年当時は、ファミリーやワンルームが全盛の時代で、この40㎡から50㎡のゾーンで不動産投資をやっている人達はあまりいませんでした。
まず単身者向けのワンルームを1部屋買って、次に3部屋ぐらいに増やして、さらにそれを売って、1棟まるごと買えば、不動産投資家として成功者といった風潮でしたね。
みき
一般的に言われる優良物件の争奪戦に加わらず、好きな人にピンポイントですごく気に入られる独自物件を提供するのが自分流、とお考えになったわけですね。
Yさん
私自身、素人に毛が生えたようなものだと思っていますので、不動産業界の標準的な考えに染まっていません。発想は自由ですから、この広さ(44㎡)の物件のポテンシャルの高さに注目出来たんだと思います。
普通のワンルーム(20㎡程度)は狭くて嫌とか、荷物が多いから収納スペースが広いところが欲しいとか、友達が良く来るからとか、この広さを活かせるライフスタイルの人、梅田から歩いて帰れる立地条件を喜ぶ人、様々なニーズがあるはずだと考えました。
ワンルームが嫌になったら2部屋に区切ることもできるし、やろうと思えば民泊も出来ないこともない、いろんな使い方を工夫できる広さです。
マンションは古さはあまり気にならない。それよりも共有・共用部の管理状態が重要です。ここはファミリーで住んでいる方もいらっしゃるし、場所柄か事務所利用の方も多いため、合格でした。
レンガ調の外壁が特徴的なエントランス。家具やカーテンなどで仕切れば2部屋に分けられる広々としたワンルーム。
みき
正面エントランスの顔つきも上品ですね。事務所利用が多いのもうなずけます。
Yさん
何十軒といろんな所を見に行って観察眼や審美眼が養われたのかも知れません。利回りじゃなく自分が住みたいと思えるかどうかという原点を忘れない、ということに尽きると思います。

失敗から学ぶ

小松
大変だったこともありましたら、お聞かせください。
Yさん
何も知らなかった私がまず失敗したのが、1軒目の仲介を頼んだ不動産屋さん選びでした。奈良の物件を買ったのに、堺にある知り合いの賃貸仲介業者に頼んだこと。結局、1年近く入居者が入らなくて本当に辛かったです。今から思えば、現地から遠いため仲介しにくいのは当然でしょうけど、そんな常識もなかったんです。だから、2軒目のここは大阪駅前にある不動産屋さんに託しました。
みき
物件所在地近くの不動産屋さんに依頼する。すごく大きな教訓を得たわけですね。
Yさん
2軒目に関しては、小さな話が2つあります。まずエアコンですね。入居者からエアコンの故障を知らされて見に行ったけれど、私が購入する以前からついていた古いエアコンだったので、修理不能と判断し取り換えました。これは失敗の話。
もうひとつは、リノベーションが終って入居者が入るまでの僅かな間に寿命が尽きたのか、浴室の換気機能が壊れたようで、追加工事になりました。売主さんが痛んでいるのを気づかずに私に売ったことを認めてくれて、費用は負担せずに済みました。こちらは不幸中の幸いのような話です。

自分に合っていると思う不動産投資

小松
この物件はいつ売られたんですか?
Yさん
昨年(2018年)です。物件の高騰や諸々の事情で売却しました。以降しばらく活動休止状態で関心が薄れていましたが、最近、熱が戻りつつあります。2025年大阪万博が決まってから、いろんな都市計画が持ち上がっていて、これから湾岸部は面白くなるのかな、とか眺めています。
小松
Yさんを見ていて感心するのは、2軒しか売買の経験がないのにベテラン投資家のような余裕のある感じと、集めた情報に対する自らの軸を堅持したブレない判断、凄いなあと思います。
株などに比べ不動産投資は、物件の選択、購入価格の交渉、リノベーションによる価値の増大、入居者の選択など、コントロールできる要素が多いので、自分の考えがしっかりある人にとっては、とてもやりがいがあるんですよね。
みき
お話を伺っていると、資産運用目的というよりも趣味とか遊びの様な感覚で、物件を評価して、借りる人のライフスタイルをサポートする住まいをプロデュースしているように思えます。
Yさん
物件の弱点をなくして美点・利点を広げるようなリノベーションのプランを立てる。その辺りが、やってて楽しい、面白いなあと思うんです。自分には不動産投資が一番合ってると思います。
自分が出す物件が、ブランドとして確立できれば面白いだろうなと思います。あの人の物件なら大丈夫、必ず良い物件だと業界内で評価されるぐらいになれたら良いなと思っています。

これからの私

小松
最後に、今後の目標をお聞かせください。
Yさん
会社員をやりながら続けるという基本路線を変えるつもりはありません。物件に対する時の考え方も、今まで通り「入居者目線で考える」を通そうと思います。
私は大阪市に住んでいますが、近隣を自転車で散歩したり、時には地下鉄で出かけたりして、地域の雰囲気の変化や、今まで知らなかった面白さを見つけて、タウンウォッチングを楽しんでいます。以前、通勤に大阪メトロ長堀鶴見緑地線を使っていた頃のエピソードですが、この路線は女性が多い、しかも独身と思われる方が多い、と感じたことがありました。同僚の女性も同じことを言っていたので、これは間違いないと確信したことがあります。なら、女性向けのマンションを造ったら受けるだろうなと、投資家の頭で構想したことがあります。
みき
女性の方が住まい選びの条件やこだわりがシビアだと思いますが、ちょうどその沿線が条件に適っていたんでしょうね。帰宅途中、定期券で心斎橋で降りることができるという要素は、結構重要なのかもしれません。
Yさん
治安や町の雰囲気、おしゃれスポットがあるか?とかに敏感だと思うんです。
我々男性からするとあまり気にしないポイントかも知れません。といいながら、私がたまにやってたのは、徒歩での帰宅。空堀商店街を通りながら帰ったり、美味しい定食屋さんを見つけて入ったりとかするのが楽しかった(笑)
小松
ちょっとしたことをきちんと観察して、自分の中に情報として蓄積する習慣が大切ですね。町の雰囲気は、○○白書のようなデータだけでは判らないということですね。
Yさん
そう、現地に行かないと真の町の価値は見えないと思います。だから、ちょっと儲けたからといって、馴染みのない町の物件を買おうという気にはなりません。
現在の高騰状態が落ち着いて、値下がりする地域が出てきたり、自分が注目している地域でこれだという物件が見つかれば再開しようと思います。休んでいるとはいえ、中古物件の情報を見ることは続けていますから。
同じ沿線におしゃれスポットがあるか?町の価値には物件自体の立地以外の要素も。
小松
Yさんの場合、会社勤めをキチンとし、不動産投資家の側面も楽しんでやられる、従来の不動産投資家という枠では表せない、新しい大家さんという感じがしています。
Yさん
利益優先でギスギスしない。自分が住みたい、借りたいと思うことを第一にする、私のやりかたであれば、誰でも出来ると思います。
一方で発想を変え、最近ちらほらと紹介されている住居を複数持って暮らすスタイル、平日は大阪市内の便利な所の1LDKで暮らし、週末は白浜や淡路島などに広い住まいで暮らす。
そんな物件を扱うのもいいかなと思ったりしています。
みき
複数の拠点に住む、二拠点居住(デュアルライフ)とか多拠点居住といわれてるものですね。
小松
楽しく暮らすライフスタイルを、不動産物件を通して提案するという形ですね。
2軒維持するのが苦しければ、郊外の住まいはシェアハウスでも良いかもしれません。
Yさん
最近結構流行っているのが、小屋。広い土地を買って、小屋を立てて、週末はこちらで過ごしましょうと同好の士を募る。そんなことを色々考えていると楽しいですね。
みき
1軒目の物件でどうしようと悩んでいた方とは、別人のようですね。
Yさん
本当に、そうですね。徐々にですが、自分の考え方も変わってきています。
小松
本当に、柔軟な方だなあ。まさに不動産投資家のニュータイプですね。
本日は、いろいろと勉強させていただきました。

小松のまとめ

投資物件は回収計画により予算が決まっているので施工できる内容も限られてしまいます。しかし予算ありきで安さを追い求め、どこにでもある普通の物件を作ってしまうと施工後も入居者が決まらない物件となり、本末転倒に。
だからこそコンセプトが非常に重要で、コンセプトを基に今ある素材や環境を活かして、そこにしか作れない価値にどう変換できるか、そして入居者が「住みたい」と思える空間にどのように仕上げるかがポイントでした。具体的には、入口の建具、クローゼット、便器は新設し機能性を拡充。全体を優しい木目にし、水回りを同じ濃い木目で揃えデザインを統一、間接照明、アースグリーンの壁紙によるアイキャッチポイントを作成し、全体をまとめ上げました。
入居者はターゲットの女性ではなく男性であったものの、想定の家賃で即決だったので結果もきっちりと出て良かったと思います。

「さすがオレ!」なポイントを教えてください

シート屋・石川さん

ダイノックシートは画一的で味気ない空間、無機質な色合いが多い賃貸物件などで特に力を発揮します。多種多様な柄や色合いで空間の表情に彩りを与え、さらに言えば活躍の場を選びません。
例えば、今回のようにキッチンの前板に高級感のある木目調のシートを貼ると、存在感をアピールしつつ表情に柔らかさも出すことができます。また、ユニットバスの大半は画一的で単調な色しかありませんが、そこへ大きめの木目をアクセントに入れることで、くつろぎの空間を演出してくれます。
このように“新たに別のもの”を用意することなく、既存のまま、使い勝手はそのままに豊かに表情を変えられる。しかも工期は短く、環境にも配慮した施工が可能なのがダイノックシートのメリットです。
そして弊社はその先にあるお客様との“御縁”を何よりも大切にしています。
だからこそ、一つ一つの案件にたいして心を込めて向き合い、仕上がりの美しさにこだわっています。

ウェブサイト:(株)石川屋