Exi-japan Co.,Ltd

建築カタリストのリノベ・建築よもやま話

デザインビルドにこだわる理由

今回は、弊社がリノベーションをする際の手法にしている「デザインビルド」についてお話ししたいと思います。簡単にいうと、デザインビルド方式とは、文字通り設計・施工という意味でひとつの業者がお客さまに対する窓口となって一括して請け負うスタイルです。

建築業界では設計と施工は別々の業者が担当するのが一般的です。
明治以降、近代化の流れの中で西洋の建築手法とともに分業体制も取り入れられてきた歴史があり、各工程の担当者が効率良く仕事ができ、コストも削減できると言われてきました。

しかしビルのような大きな建物ならまだしも、一般の人が建てる住宅やお店などでは逆に分業化することの弊害が大きいのです。営業→設計者→現場監督へと担当者がコロコロ変わり、お客様とのコミュニケーションが取りづらい。
また現場でも各業者が分業化されすぎて、一体誰のために仕事をしているのか?何を大切にし、どのような優先順位で仕事をすればよいのか?が分からない状態になることがしばしばあります。
分業体制ではコミュニケーションの難しさから全体のコストとクオリティのバランスが取りにくいなどの様々な問題がありますが、現在は監理の仕方やデジタル技術も進歩してきたので、様々な建築プロジェクトでデザインビルド方式を採用することが増えてきています。

イクシーは、建築業界の行きすぎた分業でふたつの問題が生まれていると考えています。

  1. 建築プロジェクトの最初から最後までを理解し一貫して仕切る責任者がいないため、目的の共有やコミュニケーションの齟齬が起こり、理解不足によるミスや手戻り、それによるコスト増や時間のロスが多く発生している。
  2. 各自の生産性や効率を上げることに囚われすぎて、各工程に関わる業者みんなが協力してお客様にとっての良い建物をつくるという本来の目的が見えにくくなっている。
建築カタリスト・コマツ

どちらも、最終的にはお客さまの住まいやお店、物件のクオリティやリノベーションにかかるコストに影響を与える問題です。

各工程が連携して工夫をすればもっと良い方法やデザイン・設計ができたはずなのに、担当者が自分の担当している部分のことしか知ろうとしなかったために、充分に工夫ができないこともあります。コストを下げ効率良くするための分業体制のはずが、各工程の連絡の悪さからやり直しが発生、かえってコストが割高になってしまうこともあります。

イクシーでは、一人一人のお客さまのためにクオリティの面でもコストの面でも最適なリノベーションを行うため、建築カタリストが全体をマネジメントするデザインビルドを採用しているのです。