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建築カタリストのリノベ・建築よもやま話

戸建てとマンションは、
ライフスタイルで選ぶ!

これまで「賃貸 or 分譲」「新築 or 分譲」などいくつかお話ししてきた比較テーマのコラム。今回は「戸建て or マンション」を取り上げたいと思います。
比較テーマのコラムでは毎回同じ結論になりますが、今回も「どちらが正解?」ではなく「あなたに合うのはどちらか?」で考えていただくのが正攻法となります。

まず僕の考えを言いますと、一生住み続けるつもりなら戸建てでもマンションでもライフスタイルと好みで選んでいただくのが最適解です。
ただし、売ったり貸したりを考えるなら断然マンションの方がやりやすいです。

資産として活用するならマンション

この理由は、市場が整備されているからです。
マンションは新築・中古を含め、物件の数や価格、地域の傾向などがすべてデータ化され蓄積されています。一番大元になるデータは国土交通省が統計を取っていますし、さらに民間企業が国の統計を元に分析を加えたデータを販売しています。

ですので、不動産のプロであればこれらのデータにアクセスして、ある地域ではどういうタイプのどのくらいの価格帯の物件が人気、などということが簡単に調べられます。そして、データが示す売れ筋に物件が上手くはまれば、売ったり貸したりが手早くスピーディにできるわけです。

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それに対して、戸建てには詳細なデータベースの整備がまだ進んでおらず、周辺の過去の売買履歴や路線価と呼ばれる大雑把な情報しか得られません。そのため、各物件の現状と資産価値を知りたいと思った場合には、不動産や建物の価値を算定できるプロが現地で物件を見てみなければ値段すら分からないのです。
つまり、マンションに比べて売ったり貸したりする際に時間もかかり、手間もかかる。そのため、不向きなのです。

また、中古の売買時の価格に反映される耐用年数(建物の価値が減る減価償却期間)が一般的な木造の戸建てだと22年、マンションだと47年なので建物の価値が減る償却期間が長いという点もあげられます。

生活しやすさはマンション

日々の生活のしやすさでは、やはりマンションに軍配が上がります。
基本的に玄関の鍵さえ閉めてしまえば良いという点は非常に楽です。雨戸を閉める必要もありませんし、共用部にはバリアフリー対策がされており、定期清掃もあります。断熱性も基本的にはマンションの方が秀でています。
町なかの便利な地域に住みたいならばマンション、と言って間違いないのではないでしょうか。

自家用車の持ちやすさは戸建て

マンションのデメリットのひとつに挙げられるのが、駐車場があるとは限らない点です。
郊外の大規模なマンションなら駐車場完備が謳われていることが多いですが、町なかなどで戸数の少ない物件の場合そうは行きません。法律上では必ずしも全戸数分の駐車場を作る必要がないためです。
戸建てならば家の敷地内に駐車場を作れば良く、そこで洗車もできます。

自由度は戸建て

小さくともマンションになくて戸建てにあるもの、それは家族専用の庭です。ガーデニングで緑を楽しんだり、ウッドデッキやサンルームを設けたり、子どもやペットを遊ばせたり。楽しみ方は様々です。

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DIYやバイク、ウォータースポーツ、アウトドアなどを趣味にしている場合、趣味の道具をマンションの駐車場からエレベーターで自宅まで持って上がるのは嵩張る上に面倒です。戸建てならば自宅の駐車場から下ろせばすぐですし、ガレージを趣味の作業場に改造しても良いでしょう。
ペットを飼うにしても、マンションではペット不可という物件や、小さい動物に限定されている物件があります。
趣味を楽しむための家に改造できる、そうした自由度の高さは戸建ての方が上だと言えるでしょう。

最後に

ここまで見てきたとおり、マンションと戸建て、それぞれ得意分野があります。
ざっくりまとめてしまうと、

  • 便利な町なかが好きで、あまり車で出歩かない人ならマンション
  • 郊外でゆったりと暮らすのが好きで、車で出かけるのが好きな人なら戸建て

こんな傾向になるのではないでしょうか。
あなたはどちらのタイプに近いでしょうか?一度ご自身のライフスタイルを振り返ってみてはいかがでしょう。