Exi-japan Co.,Ltd

建築カタリストのリノベ・建築よもやま話

イエはヒトと同じ?

良い家ってどんな家でしょうか?
人によって考え方や生活環境が違うし、個人の価値観も含めた何か明確な評価基準があるわけではないので難しいですよね。

私はよく、イエとヒトは同じだとお客様にお伝えしています。
良いところもあれば悪いところもあり、社会的な面もあればプライベートな面もある。
時間をかけて成長していくものであり、完璧なヒトがいないように完璧なイエもありえないと。

また、完成したイエを自分の子供と考えてみていただけませんかともお伝えしています。
産まれたての赤ちゃんは肌もキレイで、とてもかわいいですよね。
色んな経験や時間を経て、少しずつできないことができるようになり、たまにはケガをしたりキズをつくったりしながら親と共に悩み、共に考え、ヒトとして成長していく。
最終的にはシワさえもその人の個性となり、生きてきた過程そのものが味のある魅力的な人間になっていく。
イエも同じように考えていただけませんかと。

日本の税法上では木造住宅は22年経つと、価値がないものとされています。
ですが、実際にはちゃんと手をかけ愛情をかけメンテナンスをしてきたイエは50年でも100年でももちます。

建築カタリスト・コマツ

歳を重ねるとヒトはダメになりますか?
そんなことはないですよね。

イエも一緒なんです。
イエは本来ヒトの生活に
もっとも深く入り込んでいるものであり、自分と向き合い、悩みながら手を入れていくことで良くなっていきます。
イエは育ちます。手をかけることで成長するんです。

住まい手が暮らしながら育てていくことで、そのヒトにあった、そのヒトらしい空間になる。

イエはモノですが、ヒトが生きていく上で大切なパートナーになりうるモノなのです。

私たちはヒトとイエが与え合う関係を回復したいのです。
たかがイエされどイエ。ただ、生活をするためだけの場所ではなく、人生を紡ぎだす場所として何気ない時間をちょっとした喜びにできたらうれしいなと思うのです。